賃貸マンション・賃貸オフィスで火災が!その後取るべき手続きとは?

賃貸マンション・賃貸オフィスで火災が!その後取るべき手続きとは?

 

賃貸マンション・賃貸オフィスで火災が起きたら、「貸主が修繕してくれる」と思っていませんか?

 

実は、賃貸マンション・賃貸オフィスでも借主が原状回復しなくてはいけません。家を借りる際に、貸主と原状回復責任契約を結んでいるため、借主に原状回復責任が生じています。

 

そこで今回は、賃貸マンション・賃貸オフィスでの火災後に取るべき原状回復までの手続きを徹底解説いたします。

 

※賃貸マンションと賃貸オフィスでの火災後に取るべき手続きは同じです。これ以降の説明では「賃貸マンション・賃貸オフィス」とは記載せずに、「賃貸マンション」と記載いたします。

 

1.賃貸マンションでの火災後に適切な手続きを取らなかった場合の3つのリスク

賃貸マンションでの火災後に適切な手続きを取らなかった場合、下記の3つのリスクがあります。

1.貸主と揉める

2.原状回復工事が始まらない

3.実費での支払いが増える

 

1-1.リスク1:貸主と揉める

「貸主が加入している保険を無駄に使わせてしまった」といった理由で貸主と揉めます。

保険金が一度支払われると以降の保険料が上がってしまいます。適切な手続きを取らずに、貸主に保険を無駄に使わせてしまうと、貸主と揉めてしまいます。

過去には、貸主との関係が悪化して、引越しせざるえなくなった事例もあります。

 

1-2.リスク2:原状回復工事が始められない

いつまで経っても保険金が支給されないため、原状回復工事が始められません。

保険金支給額が減って原状回復費用を支払えなくなったという事態を防ぐために、原状回復工事は保険金支給後に開始されます。適切な手続きを取らなかった場合、保険金が支給されないため、原状回復工事が始められません。

過去には、「保険金支給の遅れ」と「工事が混み合っていた」という理由で、原状回復工事の開始が火災から1年後になった事例もあります。

 

1-1.リスク3:実費での支払いが増える

補償を受け損ねてしまい、実費での支払いが増えてしまいます。

適切な手続きを取らないと、隣家や貸主の保険を使い損ねてしまうため、補償を受け損ねてしまいます。その結果、実費での志原が増えてしまいます。

過去には、1,000万円以上余計に実費で支払っていた事例もあります。

 

2.賃貸マンションでの火災後に取るべき手続き

「火元の場合」と「もらい火による火事の場合」とでは取るべき手続きが異なります。

それぞれの場合の取るべき手続きをご説明いたします。

 

※これ以降を読み進める前に、「全焼後の手続きの流れ」または「『半焼』『部分焼』『ぼや』が起きた後の手続きの流れ」をご覧ください!
火事で家が全焼!必ず取らなくてはいけない手続きを徹底解説!
家が火事に!「半焼・部分焼・ぼや」した後の手続きを徹底解説!

 

2-1.共通手続き:罹災状況申告書の提出

火元の場合でも、もらい火による火事の場合でも、罹災状況申告書を受け取るまでの手続きを済ませましょう。

 

罹災状況申告書を提出する際の必要書類はこちらをご覧ください!
火事後に必要な「罹災証明書」とは?

 

2-2.原状回復までの手続き

これ以降は「火元の場合」と「もらい火した場合」を別々にご説明いたします。

 

2-2-1.火元の場合に取るべき手続き

火元の場合に取るべき原状回復までの手続きは、下記の通りです。

手続き1:加入している保険内容を確認

手続き2:保険内容別に保険金請求手続きを取る

手続き3:貸主が加入している保険の申請手続きを取る(火元の保険でカバーできなかった場合)

手続き4:原状回復工事開始

 

2-2-1-1.手続き1:加入している保険内容を確認

賃貸仲介をしてくれた不動産会社に連絡して、火災保険の加入有無と借家人賠償責任保険の付帯有無を聞いてください。

賃貸マンションの火災の場合、火災保険で家財の損害を補償して、借家人賠償責任保険で部屋の損害を補償します。

※借家人賠償責任保険とは、原状回復義務を負った際に、部屋の損害を補償する保険です。

 

2-2-1-2.手続き2:保険内容別に保険金請求手続きを取る

加入している保険内容に応じた保険金請求手続きを取りましょう。

下記の保険内容別の手続きをご説明いたします。

1.火災保険加入・借家人賠償責任保険付帯あり

2.火災保険加入・借家人賠償責任保険付帯なし

3.火災保険未加入・借家人賠償責任保険付帯なし

 

マンション火災で部屋が水浸しになった際の火災保険手続きはこちらをご覧ください!
マンション火災で部屋が水浸し!下の階への影響は?保険は使える?

 

2-2-1-2-1.「火災保険加入・借家人賠償責任保険付帯あり」の場合

エアコン・テレビ・衣類等の家財と部屋の損害が全額補償されます。

家財と部屋の原状回復費用の見積もりを取って、保険金請求手続きをしましょう。

※部屋の損害を全額カバーできなかった場合は、手続き3に進んで、貸主が加入している保険に補償してもらいましょう。

 

2-2-1-2-2.「火災保険加入・借家人賠償責任保険付帯なし」の場合

エアコン・テレビ・衣類等の家財の損害は補償されますが、部屋の損害は補償されません。

まずは家財の原状回復費用の見積もりを取って、保険金請求手続きをしましょう。

※手続き3に進んで、貸主が加入している保険に部屋の損害を補償してもらいましょう。

 

2-2-1-2-3.「火災保険未加入・借家人賠償責任保険付帯なし」の場合

家財の損害と部屋の損害はいずれも補償されません。

※手続き3に進んで、貸主が加入している保険に部屋の損害を補償してもらいましょう。

 

2-2-1-3.手続き3:貸主が加入している保険の申請手続きを取る

下記のいずれかに当てはまる場合は貸主の加入している保険に部屋の損害を補償してもらえます。

  • 借家人賠償責任保険で部屋の損害をカバーできなかった
  • 借家人賠償責任保険を付帯していなかった

貸主に連絡をして、保険金請求手続きを取りましょう。

 

貸主の保険を使用する際の注意点

貸主が加入している保険は、共有部分が損害を受けたときのための保険です。借主の損害をカバーするのにも使えますが、通常の用途とは異なります。そのため、貸主の加入している保険を使う際は、しっかり頭を下げてから使わせてもらいましょう。保険金が支給されたら、以後の保険料が上がってしまうため、「貸主が直して当然だろ」といった姿勢では誰も使わせてくれません。

 

2-2-1-4.手続き4:原状回復工事開始

保険金が支給されたら、原状回復工事を始めましょう。

 

賃貸マンションでの火災後のリフォームに関する詳しい説明はこちらをご覧ください!
賃貸マンションで火災が!借主がリフォームしないといけないの?

 

2-2-2.もらい火による火事の場合に取るべき手続き

もらい火による火事の場合に取るべき原状回復までの手続きは、下記の通りです。

手続き1:加入している保険内容を確認

手続き2:火元が加入している保険内容を確認

手続き3:保険内容別に保険金請求手続きを取る

手続き4:貸主が加入している保険の申請手続きを取る(火元の保険でカバーできなかった場合)

手続き5:原状回復工事開始

 

2-2-2-1.手続き1:加入している保険内容を確認!

火災保険の加入有無と借家人賠償責任保険の付帯有無を確認してください。

 

2-2-2-2.手続き2:火元が加入している保険内容を確認

加入している火災保険に類焼損害補償特約を付帯しているか聞いてください。

※類焼損害補償特約とは、延焼した際に隣家が加入している保険ではカバーしきれなかった損害を補償する特約です。上限は1,000〜3,000万円に設定されています。

 

2-2-2-3.手続き3:保険内容別に保険金請求手続きを取る

加入している保険内容に応じた保険金請求手続きを取りましょう。

下記の保険内容別の手続きをご説明いたします。

1.火元:類焼損害補償特約付帯あり もらい火した人:借家人賠償責任保険付帯あり

2.火元:類焼損害補償特約付帯あり もらい火した人:火災保険加入・借家人賠償責任保険付帯なし

3.火元:類焼損害補償特約付帯あり もらい火した人:火災保険未加入

※火元が類焼損害補償特約を付帯していない場合は、もらい火した人は自分が火元の場合と同様の手続き取ってください。火元の場合の手続きは2-2-1-2-1〜2-2-1-2-3に記載しています。

 

2-2-2-3-1.「火元:類焼損害補償特約付帯あり もらい火した人:借家人賠償責任保険付帯あり」の場合

家財と部屋の損害をもらい火した人の保険が補償します。

原状回復に見積もりを取って、保険金請求手続きをしましょう。

損害をカバーしきれなかった場合は、火元が付帯している類焼損害補償特約がカバーしきれなかった損害を補償します。

※部屋の損害をカバーしきれなかった場合は、手続き4に進んでください。

 

2-2-2-3-2.「火元:類焼損害補償特約付帯あり もらい火した人:火災保険加入・借家人賠償責任保険付帯なし」の場合

家財の損害はもらい火した人の保険が補償します。一方で、部屋の損害は火元が付帯している類焼損害特約が補償をします。

家財と部屋の原状回復費用の見積もりを取って、もらい火した人の保険会社と火元の保険会社それぞれに保険金請求手続きを取りましょう。

※部屋の損害がカバーしきれなかった場合は、手続き4に進んでください。

 

2-2-2-3-3.「火元:類焼損害補償特約付帯あり もらい火した人:火災保険未加入」の場合

火元が付帯している類焼損害補償特約が、家財と部屋の損害を補償します。

家財と部屋の原状回復費用の見積もりを取って、火元の保険会社に保険金請求手続きを取りましょう。

※部屋の損害がカバーしきれなかった場合は、手続き4に進んでください。

 

2-2-2-4.手続き4:貸主が加入している保険の申請手続きを取る

火元の類焼損害補償特約を使ってもの部屋の損害をカバーできなかった場合、貸主の加入している保険に部屋の損害を補償してもらえます。

貸主に連絡をして、保険金請求手続きを取りましょう。

 

2-2-2-5.手続き5:原状回復工事開始

保険金が支給されたら、原状回復工事を始めましょう。

 

2-2-2-6.注意点:火元に重過失があった場合は火元が補償をする

火元に重過失があった場合、火元の実費または火元が加入している個人賠償責任保険が、もらい火した人の保険でカバーしきれなかった損害を補償します。ただし、火元に補償してもらうためには損害賠償請求を取らなくてはいけないため、支払われるのに平均1年かかります。

 

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まとめ.賃貸マンションでの火災後の手続きは状況把握が重要

賃貸マンションでの火災後の手続きは、加入している保険内容によって異なります。しっかりと保険内容を把握して、適切な手続きを取りましょう。もし、適切に取らなければ、「貸主と揉める」「原状回復工事が始まらない」「実費での支払いが増える」といった事態が起きます。


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