「消防署」と「保険会社」が定める全焼・半焼の基準が違います。
「全焼だと思っていたら半焼だった」「半焼だと思っていたら全焼だった」ということが、しばしば起こります。
そこで今回は、全焼と半焼の違いを解説していきます。
1.全焼の基準
「消防署」と「保険会社」で全焼と認定される基準をそれぞれご説明します。
1-1.消防署が全焼と認定する基準
下記のどちらかを満たすと、消防署に全焼と認定されます。
1.建物の焼き損害額が、火災直前の建物評価額の70%を超える
2.残存部分を修復しても再使用できない
1-2.保険会社が全焼と認定する基準
全損の基準を満たしたら、全焼していると判断されます。全損の基準は下記の通りです。
1.消防署に全焼と判断された
2.延べ面積の70%以上が焼損した
3.原状回復にかかる費用が保険金を超えた
4.「焼き損害」と「消火損害」の合計が、火災直前の建物評価額の80%を超えた
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2.半焼の基準
「消防署」と「保険会社」で半焼と判断される基準をそれぞれご説明します。
2-1.消防署が半焼と認定する基準
下記の条件を両方満たすと、消防署に半焼と認定されます。
1.建物の焼き損害額が、火災直前の建物評価額の20%を超える
2.全焼とは認定されない
2-2.保険会社が半焼と認定する基準
消防署から半焼と認定された場合、保険会社からは「大半損」または「小半損」と認定されます。
2-2-1.大半損と認定する基準
下記のいずれかの条件を満たすと、大半損と認定されます。
1.延べ面積の50%以上70%未満が焼損した
2.「焼き損害」と「消火損害」の合計が、火災直前の建物評価額の60%以上80%未満だった
2-2-2.小半損と認定する基準
下記のいずれかを満たすと、小半損と認定されます。
1.延べ面積の20%以上50%未満が焼損した
2.「焼き損害」と「消火損害」の合計が、火災直前の建物評価額の30%以上60%未満だった
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3.全焼と半焼を判断するときの4つの注意点
「延べ面積」や「『焼き損害』と『消火損害』の合計」は数値で全焼・半焼が決められているため、数値さえ分かれば、誰でも全焼か半焼か判別できます。しかし、数値がしっかりと定められていない条件は、判別しづらいです。ここでは、自分自身で全焼と半焼を正確に見分けるために注意すべき4つのポイントをご説明します。
3-1.注意点1:「消防署の半焼」=「保険会社の半焼」ではない
消防署が全焼と判断したら、保険会社には全損と判断されます。しかし、消防署で半焼と判断されても、保険会社で大半損または小半損と判断されるわけではありません。消火損害額が大きかった場合や加入していた保険の保険金が少なかった場合は、消防署に半焼と判断されても、保険会社には全損と判断されます。「半焼だと思っていたら、保険会社に全焼と判断された」という間違いが起きます。半焼だから保険金を満額支給されないと思って、原状回復の見積もりを抑えてしまうと、本当はもらえるはずだった保険金が支給されません。
3-2.注意点2:保険会社が定める全損条件
「原状回復にかかる費用が保険金を超えた」という条件にご注意ください。原状回復とは、「元通りにする」という意味です。火災直前の家と同等のグレードの家に建て替える費用が、加入している火災保険の保険金を超えたら、保険会社に全損と認められます。火災直前の家がボロボロなのに、グレードが高い家に建て替えようとしても、全損とは認められません。
3-3.注意点3:ホテル代は損害に含まれない
火災保険は建物にかかっている保険です。火事が起きたせいでホテルに泊まらなくてはいけなくなったとしても、ホテル代は損害とは認められません。「ホテル代を含めると全損と判断される」と勘違いをして、原状回復の見積もりを取ってしまうと、支給される保険金が見積額に到底届きません。保険会社に「大半損」または「小半損」と判断されるからです。再度、原状回復の見積もりを取り直さなくてはいけません。
3-4.注意点4:火災直前の建物評価額は時価で決まる
購入価格ではありません。購入して月日が経つごとに建物評価額は下落していきます。購入価格だと勘違いしていると、保険会社に「全損」と判断されないと思って見積もりを取ってしまうケースがあります。その場合、本当は「全損」なのに、「大半損」または「小半損」と判断されてしまいます。
4.全焼と半焼を勘違いしないための対処法
鑑定人が来た際に、「全損」と「半損」のどちらと判断されそうかご確認ください。良心的な人なら快く教えてくれます。ただ、「鑑定人は中立的な立場」という強い信念を持っている鑑定人は、全然教えてくれません。その場合は、「この感じだと大半損としか判断されないですよね?」といった具体的な質問を投げかけて、どちらと判断されそうか聞き出してください。
まとめ.冷静に「全焼」と「半焼」を判断する
「全焼」か「半焼」かで保険金支給額が変わってきます。
焼損状況が「全焼」か「半焼」か冷静に判断をして、原状回復の見積もりを取っていきましょう。そうすることによって、「保険金支給額が足りないから、もっと工事費用を安くしないといけない」といった事態を防ぐことができるため、スムーズに原状回復工事を始められます。
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