「延焼」と「類焼」の違いをご存知ですか?
聞き慣れない単語のせいなのか、「延焼」と「類焼」の違いが分からない人は非常に多いです。
そこで今回は、「延焼」と「類焼」の違いを誰にでも分かるように解説いたします。
また、「延焼」と「類焼」の火災保険手続きの方法もそれぞれ解説いたします。
1.延焼とは?
「意味」と「使用する場面」「火災保険手続き」は下記の通りです。
1-1.「延焼」の意味
延焼とは、自宅の火事が隣家へ燃え広がることです。
1-2.「延焼」を使う場面
下記の2つの場面でよく使われます。
1.火災保険手続きをするとき
2.マンション建設をするとき
1-2-1. 場面1:火災保険手続きをするとき
火災保険手続きをする際に頻繁に使います。
類焼損害補償特約を付帯していた場合、保険会社や鑑定人と会話をするときに「隣家への延焼はありましたか?」とった質問をされます。その際に、「延焼」という単語を使います。
1-2-2.場面2:マンションを購入するとき
火災保険手続きをする際にも頻繁に使う言葉ですが、最も頻繁に使うのはマンションを購入するときです。重要事項説明の際に使用されます。
マンションは部屋が密接しているため、延焼リスクが非常に高いです。建築基準法により、延焼リスクを抑える構造にしなくてはいけないと定められていますが、延焼する可能性はゼロではありません。延焼した際は、資産価値が一気に低下するため、マンション販売時には延焼リスクの説明がなされます。その際、「延焼」という単語が頻繁に使われます。
1-3.延焼後の火災保険手続き
失火見舞費用保険金または類焼損害補償特約を付帯している場合と付帯していない場合で、延焼後の火災保険手続きが異なります。
1-3-1.失火見舞費用保険金を付帯している場合
保険会社に隣家へのお見舞金支給手続きを取りましょう。延焼を受けた隣家にお見舞金として30万円が支給されます。
1-3-2.類焼損害補償特約を付帯している場合
隣家が加入していた保険で損害をカバーできなかった場合、類焼損害補償特約を使用する手続きを取りましょう。類焼損害補償特約で隣家がカバーできなかった損害をカバーします。
1-3-3.何も付帯していない場合
あなたに重過失がなければ、隣家に対して何もすることはありません。
延焼した後の詳しい火災保険手続きはこちらをご覧ください!
火事が隣家に延焼!!絶対取るべき火災保険手続きとは?
2.類焼とは?
「意味」「使用する場面」「火災保険手続き」は下記の通りです。
2-1.「類焼」の意味
隣家からもらい火を受けて火事になることです。
2-2.「類焼」を使う場面
実は「類焼」という単語を使う場面はあまりありません。「もらい火」と同じ意味だからです。ただ、強いて言うなら、下記の2つの場面で使われます。
1.火災保険手続きをするとき
2.消防署から事情説明を求められたとき
2-2-1.場面1:火災保険手続きをするとき
保険会社や鑑定人とやり取りをする際、「類焼」という単語が使われます。年配の担当者が使うケースが多いです。
現在の状況を確認するために、「類焼で火事になりましたか?」といった質問をされます。その際、「類焼」という単語が使います。
※担当者が若かったら、99%「もらい火」という単語が使われます。
2-2-2.場面2:消防署から事情説明を求められたとき
消防署から事情説明を求められたときに、「類焼」という単語が使われます。
「どういった経緯で火災になったのか?」という会話になった際、消防員の口から「類焼」という単語が発せられます。
2-3.類焼後の火災保険手続き
「延焼」と「類焼」は真逆の意味です。そのため、類焼の火災保険手続きと延焼の火災保険手続きは真逆です。
まずは、隣家に失火見舞費用保険金または類焼損害補償特約を付帯しているか確認しましょう。
付帯していた場合は、失火見舞費用保険金または類焼損害補償特約の申請手続きを取ってもらいましょう。
付帯していなかった場合は、隣家ができることはありません。
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3.注意点:類焼損害補償特約は延焼した際の補償をする
類焼損害補償特約は、延焼した際に隣家の損害額を補償する特約ですので、ご注意ください。
「類焼損害補償特約」という名目ですので、自宅が類焼した際の補償をする特約かと勘違いしてしまいます。しかし、「類焼損害補償特約」は隣家が類焼した際の補償をする特約です。おそらくですが、この特約の名前がややこしいせいで、多くの人が「類焼」と「延焼」の意味が混ざってしまっています。
まとめ.「延焼」と「類焼」は大違い!
「延焼」と「類焼」の意味は真逆です。延焼は隣家へ火を広げることです。一方で、類焼は隣家からもらい火を受けることです。そのため、火災保険手続きも真逆になります。もし、「延焼」と「類焼」を間違って使用していたら、一切会話が噛み合わない可能性がありますので、絶対に間違えないようにしましょう。
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