マンション火災で部屋が水浸し!下の階への影響は?保険は使える?

マンション火災で部屋が水浸し!下の階への影響は?保険は使える?

 

マンション火災の消火活動で部屋が水浸しになった方は下記の2点を疑問にお持ちではないでしょうか?

1.下の階への影響はある?

2.保険は使える?

 

マンションは厳重な防火構造が施されているため、マンション火災の経験者はほとんどいません。友人に聞いたところで教えてくれる人はいないでしょう。

 

そこで今回は、下記の5点を徹底解説いたします。

1.下の階への影響

2.下の階への補償

3.下の階へのお詫び

4.保険の使用

5.リフォーム費用

 

1.マンション火災で部屋が水浸し!下の階への影響は?

マンション火災の消火活動で部屋が水浸しになったら、下の階は天井から水漏れが生じます。

築年数が長いマンションの場合、今ほど構造が厳重ではないため、下の階への水漏れは酷いです。下の階まで水浸しになってしまうでしょう。

一方で、築年数が短いマンションの場合、構造が厳重なため、下の階への水漏れは防げるでしょう。ただし、水浸しの程度が酷かったら、築年数が短いマンションでも下の階まで水浸しになってしまいます。

 

注意点

部屋が水浸しになっていなかったとしても、火災の影響で下の階のスプリンクラーが作動して、下の階が水浸しになっている可能性があります。

 

2.マンション火災で下の階が水浸し!補償するべき?

重過失による火事と認定されるかどうかで、補償しなくてはいけないかが変わります。

 

重過失による火事の認定条件はこちらをご覧ください!
分かりづらい!!重過失による火事と認定される条件とは?

 

2-1.重過失が認定されなかったときの補償

下の階へ補償をする必要はありません。失火責任法により、重過失による火事と認定されない限り、下の階へ補償する必要はないと定められています。

上の階の火災で部屋が水浸しになった際も同様で、上の階の住民に損害賠償請求はできません。

 

2-2.重過失が認定されたときの補償

下の階が受けた損害を補償する必要があります。重過失が認定された後に、下記の2つの損害賠償請求を受けることになるでしょう。

1.保険でカバーしきれなかった分の損害額

2.下の階に支給された保険金

 

2-2-1.保険でカバーしきれなかった分の損害額

下の階の住民から、保険でカバーしきれなかった分の損害を請求されます。実費または個人賠償責任保険で賠償金を支払うことになるでしょう。

なお、上の階の重過失による火災で部屋が水浸しになったのであれば、保険でカバーしきれなかった分の損害賠償請求ができます。

※個人賠償責任保険とは、賠償責任を負った際に賠償金を補償する保険です。

 

2-2-2.下の階に支給された保険金

下の階の住民に保険金を支給した保険会社から、支給した保険金分の賠償金を請求されます。隣家の重過失による火災で受けた損害を、火災保険は補償していないからです。実費または個人賠償責任保険で賠償金を支払うことになるでしょう。

 

3.マンション火災で部屋が水浸し!下の階へお詫びに行く

マンション火災で部屋が水浸しになったら、下の階へ必ずお詫びに行きましょう。部屋が水浸しになったら、少なからず下の階へは迷惑をかけています。

過去には、お詫びに行かなかったせいで、近隣住民との仲が悪くなって、引っ越しせざる得なくなった人もいます。

 

お詫びに持っていく菓子折りとお詫び金の金額はこちらをご覧ください!
これで安心!!火事を起こした際のお詫びのマナーとは?

 

4.マンション火災で部屋が水浸し!保険は使える?

消火活動によって受けた損害は火災保険が適用されます。床・壁・家電等の損害が補償されます。

賃貸マンションと分譲マンションで使用する保険が異なります。

 

4-1.賃貸マンションで水浸しになった際に使用する保険

「建物が受けた損害」と「家財が受けた損害」で使用する保険が違います。

 

4-1-1.建物が受けた損害を補償する保険

下記のいずれかまたは両方の保険を使います。

1.借家人賠償保険

2.貸主が加入している火災保険

まずは、借家人賠償保険の保険金請求手続きをおこなってください。借家人賠償保険でカバーしきれなかった損害があった場合は、貸主が加入している火災保険でカバーしましょう。

なお、上の階の火災で部屋が水浸しになった際の手続きも同様です。

※賃貸マンションでの火災で水浸しになった際の保険金請求手続きは、火事になった際の保険金請求手続きと同じです。詳しくはこちらをご覧ください。
賃貸マンション・賃貸オフィスで火事を起こした後に取るべき手続き

※マンション火災で部屋が全焼した際の保険金支給額はこちらをご覧ください!
マンション火災で部屋が全焼!事後対応と保険金支給額は?

 

4-1-2.家財が受けた損害を補償する保険

借主が加入している火災保険の保険金請求手続きをおこなってください。万が一、カバーしきれなかった場合は、実費になります。

 

4-2.分譲マンションで水浸しになった際に使用する保険

持ち主が加入している火災保険を使います。家財と建物の原状回復費用の見積もりを取って原状回復しましょう。

※分譲マンションで火災が起きた際の保険金支給までの流れはこちらをご覧ください!

 

5.マンション火災で部屋が水浸し!リフォーム費用はいくら?

マンション火災で部屋が水浸しになった際、頻繁に修繕されている箇所のリフォーム費用をご紹介します。

1.床下断熱

2.内装

3.配線設備

 

5-1.箇所1:床下断熱

リフォーム費用相場:5,000〜7,000円/㎡

浸水によって床下の断熱材が破損するケースが非常に多いため、水浸しになった後のリフォーム箇所として最も多いです。

 

5-2.箇所2:内装

8畳の部屋のクロスとフローリングを張り替える場合の費用は20〜35万円です。

消火活動によって、クロスとフローリングが破損しているケースが多いため、水浸しになった後のリフォーム箇所として2番目に多いです。

 

5-3.箇所3:配線設備

リフォーム内容別の費用は下表の通りです。

リフォーム内容 リフォーム費用
スイッチ交換または修理 5,000〜7,000円/箇所
コンセント交換または修理 5,000〜8,000円/箇所
照明交換 5,000円〜
漏電ブレーカー交換または修理 30,000〜50,000円
分電盤交換または修理 35,000〜60,000円

水が配線設備と接触することによって、漏電が発生している可能性があります。そのため、水浸しになった後のリフォーム箇所として3番目に多いです。

 

漏電しているかどうかの確認方法はこちらをご覧ください!
雨漏りによる漏電で火災が起きる!?確認方法と対処法を伝授!

その他箇所のリフォーム費用はこちらをご覧ください!
悪徳業者撲滅!!火事後のリフォーム費用相場はどれくらい?

 

まとめ.マンション火災で部屋が水浸しになっても慌てない!

マンション火災で部屋が水浸しになったときの対応は、普通の火災が起きたときの対応と変わりません。失火責任法も適用されますし、保険も使用できます。冷静に対処すれば何も問題はありませんので、絶対に慌てないようにしましょう。

 

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