「ガス爆発にも保険は使えるのかな？」

「ガス爆発による火事が起きたらどれくらい保険金がもらえるの？」

と疑問に思っていませんか？

 

火災保険にも色々種類があるため、ガス爆発に保険が使えるかどうか分からないのも仕方ありません。また、保険金支給額も焼損によって異なるため、非常に分かりづらいです。

 

そこで今回は、ガス爆発が起きた際の保険の使用について徹底解説いたします。

 

1.ガス爆発は保険適用内？適用外？

ガス爆発の原因となった行為によって、保険が適用されるかどうか変わります。

 

1-1.ガス爆発は基本的に保険適用内

どんな火災保険でも、ガス爆発によって受けた損害を補償します。

火災保険に特約を付帯しなければ、「地震」や「水害」等の災害は補償されません。しかし、ガス爆発は最低限の補償内容となっているため、どんな火災保険に加入していたとしても損害が補償されます。

 

1-2.保険適用外となるケース

下記のいずれかに当てはまる場合、ガス爆発が起きても保険金は支給されません。

1.重過失がある

2.被保険者の故意

 

1-2-1.重過失があると認定される行為

ガス爆発の危険性があると容易に把握できる状況下でガスまたは火を使用した結果、ガス爆発が起きたら「重過失がある」と認定されます。

具体的には下記の状況下でガス爆発が起きたら、「重過失がある」と認定されます。

• 古いガスコンロを使用した
• 火にスプレーを吹きかけた
• コンロの近くにスプレー缶を起きっぱなしにして料理をした。

 

重過失と認定される条件はこちらをご覧ください！
分かりづらい！！重過失による火事と認定される条件とは？ 

 

1-2-2.被保険者の故意と認定される行為

被保険者が自らの意思でガス爆発を起こした場合、「故意」と認定されます。

具体的には下記の場合にガス爆発が起きたら、「故意」と認定されます。

• スプレー缶を火で炙った
• ガスの元栓をわざと開けっぱなしにした
• ガスを充満させて火をつけた

 

※被保険者以外の故意でガス爆発が起きた場合は、保険金が支給されます。

 

2.ガス爆発が起きた際の保険金支給額

ガス爆発が起きた場合、「建物」と「家財」の損害が補償されます。

ガス爆発によって火事が起きた場合は、普通の火事と同じ扱いになります。焼損別の補償を受けられます。

 

※火事が起きた際の焼損別の補償範囲と補償額はこちらをご覧ください！
火事が起きた！火災保険の補償範囲と補償額を焼損別に徹底解説！

 

2-1.過去の保険金支給事例

過去のガス爆発で支給された保険金額事例をご紹介いたします。

 

2-1-1.事例1：料理中にカセットコンロが爆発

料理中にカセットコンロが爆発しました。

経年劣化によるガス漏れだったのですが、購入して5年しか経っていなかったため、火災保険が適用されました。ガスコンロの損害額50万円が保険金として支給されました。

 

2-1-2.事例2：消火器が爆発して、テレビ破損

消火器の爆発によって、テレビが破損しました。

原因は消火器の初期不良だったため、火災保険が適用されました。テレビの損害額19万円が保険金として支給されました。

 

2-1-3.事例3：スプレー缶が爆発して、高級ベッド破損

スプレー缶の爆発によって、高級ベッドが破損しました。

缶が経年劣化していたため、ガスが漏れていました。ロウソクに火を灯したときに、漏れていたガスが爆発しました。ガスに漏れているとは気付ける環境ではなかったため、火災保険が適用されました。ベッドの損害額73万円が保険金として支給されました。

 

2-2.注意点：ゴミ処理費用も支給される

ガス爆発によって使えなくなった「家具」や「家電」等のゴミ処理費用も保険金として支給されます。保険金支給の明細書に記載されている「残存物取片づけ費用」がゴミ処理費用に対する保険金です。

ただし、ガス爆発によって火事が起きた場合、ゴミ処理費用に対する保険金は支給されません。普通の火事の場合、ゴミ処理費用の補償は受けられません。ガス爆発による火事は普通の火事と同じ扱いになるため、ゴミ処理費用に対する保険金は支給されません。

 

3.要注意！ガス爆発による火事は失火責任法適用外

保険会社は「ガス爆発による火事」と「普通の火事」を同様に扱います。しかし、法律上は全く別物として扱われます。失火責任法は普通の火事にのみ適用されるため、ガス爆発による火事は失火責任法が適用されません。

もし、ガス爆発による火事が隣家や隣部屋に延焼した場合、賠償責任が生じます。

※失火責任法とは、「火事が延焼しても隣家への賠償責任は生じない」と定められた法律です。

 

賠償責任軽減方法

「類焼損害補償特約」または「個人賠償責任保険」に加入しておくことによって、ガス爆発による火事が延焼した際に生じる賠償責任を、保険会社が肩代わりしてくれます。

※類焼損害補償特約とは、隣家が受けた損害を補償する特約です。

※個人賠償責任保険とは、生じた賠償責任を保険会社が肩代わりする特約です。

 

延焼した際の詳しい賠償責任軽減方法はこちらをご覧ください！
火事が隣家に延焼！！絶対取るべき火災保険手続きとは？ 

 

まとめ.ガス爆発は損害額が保険金として支給される

ガス爆発は火災保険によってカバーされます。ガス爆発による損害額が保険金として支給されます。また、ガス爆発によって火事が発生した場合は普通の火事と同様に扱われるため、焼損別に保険金が支給されます。

ただし、ガス爆発による火事は失火責任法が適用されないため、延焼した場合は賠償責任を負います。ちょっとした延焼でも、被害を受けた住民が多ければ、賠償金が1,000万円を超えます。類焼損害補償特約または個人賠償責任保険に加入して、賠償責任は保険会社に肩代わりしてもらいましょう。