「具体的な車両火災の事例は?」
「どんな感じで車両火災は起きるの?」
「どこから出火するの?」
と疑問を持っていないでしょうか?
出火箇所・出火原因は様々なため、「このように出火します」と一言で説明するのは難しいです。
そこで今回は、よく起こる車両火災事例を6つ紹介いたします。
1.事例紹介前に!車両火災の6つの原因
事例を紹介する前に、車両火災が起きる原因を簡単にご説明いたします。
車両火災が起こる原因は下記の6つです。
1.電気配線ショート
2.燃料漏れ
3.オイル漏れ
4.電飾品不具合
5.排気系加熱
6.危険物持ち込み
車両火災の出火原因はこちらをご覧ください!
【ランキング公開!】車両火災の出火原因は?
2.車両火災の代表的な6つの事例
車両火災の代表的な6つの事例は下記の通りです。
1.エンジンルームから出火
2.タイヤ付近から出火
3.衝突事故による出火
4.運転席付近から出火
5.排気管から出火
6.ゴミ収集車から出火
2-1.事例1:エンジンルームから出火
1997年に下表の条件の乗用車で車両火災が発生しました。
製造年 | 1989年 |
購入形態 | 中古車(三次ユーザー) |
排気量 | 2000cc |
走行距離 | 16万km |
2-1-1.概要
高速道路を走行中に、オルタネーターから出火して、エンジンルームが一部焼損しました。
運転手が迅速に消防へ連絡したため、すぐに火は消し止められました。幸い負傷者は出ませんでした。
※オルタネーターとは、交流の電気を発生させる装置です。
2-1-2.出火原因
製造されてから8年経過していたため、オルタネーターの整流器部分の樹脂が収縮していました。また、少量のオイルが漏れていました。オイルネータから火花が散った際に、オイルに引火して、車両火災が発生しました。
万全な整備を定期的におこなっていたら、樹脂の収縮による出火は起きません。しかし、三次ユーザーということもあり、万全な整備がおこなわれていませんでした。
2-2.事例2:タイヤ付近から出火
2001年に下表の条件の路線バスで車両火災が発生しました。
製造年 | 1988年 |
購入形態 | 新車 |
排気量 | 7545cc |
走行距離 | 57万km |
2-2-1.概要
信号待ち中に、後輪タイヤ付近から出火をしました。
運転手が迅速に消火器で消火をしたため、幸い怪我人は出ませんでした。
2-2-2.出火原因
ワイヤーハーネスが車体と擦れて、導線がむき出しになっていました。ショートした際に火花が散って、出火しました。
万全な整備はされていたので、仕方がない車両火災でした。
※ワイヤーハーネスとは、電線を束にした部品です。
2-3.事例3:衝突事故による出火
2006年に下表の条件の大型バイクで車両火災が発生しました。
製造年 | 2003年 |
購入形態 | 新車 |
排気量 | 450cc |
走行距離 | 4万km |
2-3-1.概要
衝突事故を起こし際に、燃料タンク付近から出火しました。
運転手が近くにあった店から消火器を借りて、消火をしたため、怪我人は出ませんでした。
2-3-2.出火原因
衝突事故によって燃料タンクと導線が破損しました。ショートを起こした際に、火花が漏れている燃料に発火して、車両火災が発生しました。
2-4.事例4:運転席付近から出火
2007年に下表の条件の乗用車で車両火災が発生しました。
製造年 | 2002年 |
購入形態 | 中古車(二次ユーザー) |
排気量 | 1300cc |
走行距離 | 8万km |
2-4-1.概要
運転手が仮眠を取った時に、消し忘れていたタバコをフロアマットに落としてしまったため、運転席付近から出火しました。
運転手が仮眠を取っていたため、消火活動が遅れて、車は全焼しました。運転手も右足に火傷を負いました。
2-4-2.出火原因
仮眠中に異臭には気づいていましたが、眠気を優先して、処理を怠りました。運転席は燃えにくい素材で出来ていますが、消火活動の初動が遅れてしまったため、全焼しました。
2-5.事例5:排気管から出火
2011年に下表の条件の乗用車で車両火災が発生しました。
製造年 | 2000年 |
購入形態 | 中古車(二次ユーザー) |
排気量 | 1400cc |
走行距離 | 14万km |
2-5-1.概要
高速道路を走行中に、排気管から出火しました。
運転手がすぐに気づいて消防を呼んだため、怪我人はでませんでした。
2-5-2.出火原因
オーバーヒートが起きて、シリンダーに亀裂が入ったため、エンジンオイルが飛び散りました。飛び散ったエンジンオイルが、高温に熱された排気管に接触し、出火しました。
走行距離が増えるにつれて部品は劣化していきます。ただ、しっかりと整備をおこなっておけば、オーバーヒートは起こりません。この車両火災を起こした持ち主は、走行距離も10万kmを超えているのにも関わらず、持ち主は万全な整備をおこなっていませんでした。
2-6.事例6:ゴミ収集車から出火
1987年に下表の条件のゴミ収集車で車両火災が発生しました。
製造年 | 1977年 |
購入形態 | 新車 |
排気量 | 4000cc |
走行距離 | 20万km |
2-6-1.概要
走行中に、ゴミを溜める箇所から出火しました。
運転手と近くにいた歩行者が迅速に消防へ連絡したため、誰も怪我人は出ませんでした。
2-6-2.出火原因
ゴミの中に混ざっていたライターのオイルが漏れていました。何かの拍子で散った火花が、漏れているオイルに引火して車両火災が起きました。
3.車両火災の事例に関するまとめ
衝突事故や危険物の持ち込みが原因の車両火災以外は、走行距離が長い車ほど車両火災が起きやすいです。今回ご紹介した車両事例では、全て走行距離が10万kmを超えています。走行距離が長い車ほど部品が劣化しているため、車両火災のリスクは大きくなります。
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