「火災保険の申請代行って違法なの?」
「『保険金の申請を代行しますよ』って営業マンが言っているけど、違法じゃないの?」
「『火災保険を使えば無料で修理できる』って言われたけど、違法じゃないの?」
と疑問に思っていないでしょうか?
近年、「火災保険を使えば無料で屋根を修理できます」といった売り文句で、リフォーム工事と一緒に火災保険の申請代行も請け負う業者が増えています。
ただ、火災保険は金融商品のため、法律や契約書によって厳しい規約が定められています。
「火災保険の保険金請求を代行するのは違法ではないのか?」という疑問が残ります。
そこで今回は、火災保険の申請代行は違法なのか、それとも合法なのか徹底解説いたします。
※リフォーム業者が火災保険申請代行をする場合と火災保険申請代行の専門業者が申請代行をする場合があります。どちらの場合もサービス内容は同じであるため、これ以降ではリフォーム業者の火災保険申請代行のみをご説明していきます。
※火災保険申請代行の詳しいサービス内容はこちらをご覧ください!
【要注意!!】火災保険申請代行サービスとは?
1.火災保険の申請代行を依頼するのは「違法」ではない!
火災保険の申請代行を顧客が依頼するのは「違法」ではありません。
1-1.誰が違法かどうか問われるのか?
違法になる可能性があるのは、火災保険の申請代行を持ちかけてきたリフォーム業者です。
詳しくは後述しますが、「独占禁止法」や「保険法」違反に抵触する恐れがあるからです。
1-2.注意点:違法にはならないが契約違反になる
顧客が火災保険の申請代行を依頼しても、法律的に問題はありません。
しかし、保険会社は規約に「保険金請求は被保険者がしなくてはいけない」と定めています。
火災保険の申請を代行してもらうと、重大な契約違反になってしまうため、「保険契約の打ち切り」や「保険金が支給されない」といった不利益を被ります。
2.火災保険の申請代行には「違法」と「合法」がある!
前述した通り、火災保険の申請代行をするリフォーム業者が罪に問われる可能性があります。
ただ、「違法な火災保険申請代行」と「合法な火災保険申請代行」があります。
どういった場合に違法となるのか、どういった場合に合法となるのかご説明いたします。
2-1.違法な火災保険の申請代行
2-1-1.違法な火災保険申請代行は2パターン!
違法な火災保険申請代行には、2パターンあります。
どちらかのパターンに当てはまると、「違法」または「違法の可能性」があります。
2-1-1-1.パターン1:抱き合わせで火災保険の申請代行が無料になる
リフォーム工事と抱き合わせで、火災保険の申請代行が無料になる場合、その火災保険申請代行は違法の可能性があります。
2-1-1-1-1.違法になる理由
不用品強要型の独占禁止法に抵触する可能性があります。
一般的な購買までの流れは、「修理したい→火災保険申請代行をやってくれるからこの会社にする→修理決定」です。
しかし、抱き合わせで火災保険の申請代行が無料になる場合、購買までの流れは、「火災保険申請代行をしてくれるみたい→そこまで言うなら修理しよう→修理決定」です。
顧客の視点から見れば、不要なサービスを押し付けられています。
2-1-1-1-2.独占禁止法に抵触する火災保険申請代行の具体例
近年頻繁に起こっている屋根修理を例にご説明いたします。
リフォーム会社の営業マンが飛び込みで屋根の修理を持ちかけてきます。
営業マンは「保険金を使えば実質無料でできますよ」と説明した後に、「弊社が無料で保険金の申請代行をするので、屋根の修理をしましょう」と言ってきます。
このような条件で「屋根修理」と「火災保険申請代行」を契約してしまうと、リフォーム会社は不用品強要型の独占禁止法違反になります。
2-1-1-2.パターン2:虚偽報告をする
「実際よりも過大な被害を報告して保険金を請求する」「破損していないのに破損したことにして保険金を請求する」といった行為をした場合、詐欺罪にあたります。
2-1-1-2-1.注意点:虚偽報告をそそのかしてくる
保険会社に保険金を請求する際、火災保険の申請代行は受注せずに、顧客に虚偽報告をするようにそそのかしてくるリフォーム業者が存在します。
もし、そそのかされて顧客が虚偽報告をした場合、顧客が詐欺罪に問われるのでご注意ください。
2-1-2.リフォーム業者がおこなう火災保険申請代行は大半が違法!
リフォーム業者の営業マンの仕事は、リフォーム工事を受注して売上を立てることです。
大半の場合が、火災保険申請代行を餌に工事を受注するため、独占禁止法に抵触します。
また、工事料金を吊り上げるために、顧客になるべく多くの保険金を受け取らせようとするため、火災保険申請代行を請け負ったリフォーム業者は虚偽報告を頻繁におこなっています。
2-1-3.リフォーム業者との口裏合わせは顧客も詐欺罪に問われる
火災保険の保険金を請求するには、リフォーム業者からの見積もりが必要です。
これを逆手に取って、火災保険申請代行を説明しても工事を依頼してくれない顧客に、リフォーム業者の営業マンが下記のように提案してくるケースがあります。
「工事はしなくていいので、見積もりだけ取って、保険金を請求しましょう。そうすれば保険金を自由に使えますよ。ただ、見積もり費用として保険金の◯%ください」
こういった提案に乗ってしまった場合は、顧客も詐欺罪に問われてしまうため、ご注意ください。
2-2.合法な火災保険の申請代行
2-2-1.合法な火災保険の申請代行は2パターン!
合法な火災保険の申請代行には2パターンあります。
どちらかのパターンに当てはまる場合は、「合法」となります。
2-2-1-1.パターン1:完全無料で火災保険の申請代行をする
抱き合わせなしで、完全無料で火災保険の申請代行をするのは合法です。
火災保険の申請代行によって、業者は不当に利益を得ないため、独占禁止法または詐欺罪に問われる可能性はありません。
2-2-1-2.パターン2:手数料を取って火災保険の申請代行をする
抱き合わせをしても、手数料を取って火災保険の申請代行をするのは合法です。
しっかりと手数料を取っているため、不用品強要型の独占禁止法には抵触しません。
有料の専門業者の手数料相場はこちらをご覧ください!
火災保険申請代行の手数料相場は?安く済ませる3つの方法とは?
2-2-2.合法な火災保険申請代行をするリフォーム業者はほぼ存在しない
下記の2つの理由から合法な火災保険申請代行をするリフォーム業者はほぼ存在しません。
理由1:抱き合わせなしで、完全無料で火災保険の申請代行をしても、リフォーム業者には何の得もない
理由2:手数料を取って火災保険の申請代行をすると、取れる契約も取れなくなる
2-2-3.合法だとしても契約違反になる
前述した通り、保険会社は規約に「保険金請求は被保険者がしなくてはいけない」と定めています。
たとえ合法な火災保険申請代行に依頼したとしても、契約違反になってしまうため、「保険打ち切り」や「保険金が支払われない」といった不利益を被ります。
2-3.違法か合法かを見極める方法
リフォーム工事と抱き合わせで、「無料で火災保険の申請代行をする」という提案してくるかどうかが大きなポイントになります。
抱き合わせなしで、完全無料で火災保険の申請代行をする業者はまずいません。
つまり、火災保険の申請代行をするリフォーム業者には、下記の3種類しかいません。
1.リフォーム工事と抱き合わせで、無料で火災保険の申請代行をする業者
2.請け負った火災保険の申請代行で保険会社に虚偽報告をする業者
3.手数料を受け取って、火災保険の申請代行をする業者
2の業者の99.9%は、1の業者にも当てはまるため、1の業者なのか3の業者なのかを見極めるのが重要です。
1の業者と3の業者の決定的な違いは、「無料」か「有料」かの違いです。
そのため、「無料で火災保険の申請代行をする」という提案をしてくるかが、違法か合法かを見極める上で重要となります。
3.無料で火災保険申請代行をするリフォーム業者には要注意!
無料で火災保険申請代行をするリフォーム業者は、「保険金で支払えばリフォーム代金が実質無料」と謳っています。
しかし、「保険金支給額=保険金請求直前のリフォーム箇所の評価額」です。
「保険金請求直前のリフォーム箇所の評価額」は新品価格よりも大きく下回っているため、保険金では新品価格であるリフォーム代金を全て賄えません。
「実質無料」と謳っているだけの詐欺業者である可能性が高いので、要注意です。
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4.火災保険の申請代行を使わないでも自分でできる!
保険会社も鬼ではないので、保険金請求のやり方を極力簡単にしています。
やり方さえ分かれば、誰でも火災保険の保険金請求はできます。
「業者の違法行為の片棒を担がない」「契約違反のリスクをなくす」ためにも、保険金請求をするのであれば、自分でやるようにしましょう。
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5.火災保険の申請代行が違法かどうかのまとめ
顧客が火災保険の申請代行を依頼しても違法ではありません。
火災保険の申請代行をするリフォーム業者が罪に問われる可能性があります。
ただし、全ての火災保険の申請代行が罪に問われるわけではなく、「違法な火災保険申請代行」と「合法な火災保険申請代行」があります。
違法な火災保険申請代行
- 抱き合わせで火災保険の申請代行が無料になる
- 虚偽報告をする
合法な火災保険申請代行
- 完全無料で火災保険の申請代行をする
- 手数料を取って火災保険の申請代行をする
注意点:合法でも保険会社との契約違反
保険会社の規約に「保険金請求は被保険者がしなくてはいけない」と定められているため、火災保険の申請代行を利用すると、「保険契約打ち切り」や「保険金が支払われない」といった不利益を被ります。
保険金請求は誰にでもできる!
保険金請求はやり方さえ分かれば誰にでもできます。
「リフォーム業者の違法行為の片棒を担がない」「契約違反のリスクをなくす」ためにも、自分で保険金請求をするようにしましょう。
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